特許請求の範囲ひな形文書(解説版)
<特許請求の範囲の記載について<特許出願用書面の作成方法
【書類名】特許請求の範囲
【請求項○】※
[この欄に記載されるべき事項]
既述の「3つの観点」による「発明の構成要件の整理」に基づいて階層的・多面的に展開された個々の発明の構成を示す請求項の列
[この欄の記載の一例]
<標準的な物の発明>
【請求項○】・・・Aと、
...Bと、
〜〜〜Cと
を備えたことを特徴とする●●●。
<階層的に構成される物の発明>
【請求項○】・・・Aと、
...Bと、
〜〜〜Cとを備え、
前記・・・Aは、
−−−aを有する(含む)
ことを特徴とする●●●。 <各構成要素の形容が他の構成要素との関連性にでなければ記載できない物の発明>
【請求項○】・・・Aと、
...Bと、
〜〜〜Cとを備え、
前記・・・A(上記・・・部に含まれる文言であってもよい)は、
^^^であり、
前記...B(上記...部に含まれる文言であってもよい)は、
***である
ことを特徴とする●●●。 (注)^^^部は、B(または...部に含まれる文言)との関連性において記載されるべき事項です。
(注)***部は、A(または・・・部に含まれる文言)との関連性において記載されるべき事項です。<引用形式で記載される(下位の階層の)物の発明(1)> ← 構成要件の追加
【請求項○】請求項○に記載された●●●において、
\\\Dと、
※※※Eと
を備えたことを特徴とする●●●。 <引用形式で記載される(下位の階層の)物の発明(2)> ← 構成要件の限定
【請求項○】請求項○に記載された●●●において、
前記B(上記...部に含まれる文言であってもよい)は、
〜〜〜〜〜する(である)
ことを特徴とする●●●。 <標準的な方法の発明(1)>
【請求項○】・・・し、
...し、
〜〜〜する
ことを特徴とする●●●方法。 <標準的な方法の発明(2)>
【請求項○】・・・する第1のステップと、
...する第二のステップと、
〜〜〜する第三のステップと
から構成された●●●方法。
(注)階層的に構成される方法の発明、各構成要素の形容が他の構成要素との関連性にでなければ記載できない方法の発明、引用形式で記載される(下位の階層の)方法の発明については、上記物の発明の場合に準じた構文で記載可能です。
[記載のポイント]
(1)上記階層的・多面的に展開された個々の発明の請求項をカテゴリー毎に、かつ階層的に並べて記載します。
(2)上位の階層の請求項を引用する場合には、択一的に記載します。
(例)【請求項5】請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載された○○○において、
・・・▽▽手段を備えた
ことを特徴とする○○○。
(3)情報処理系、制御系、回路網等を構成する構成要素(機能ブロック)に関しては、入出力の定義、入出力間における対応関係、内部で行われる処理の形態を示す機能やアルゴリズム、あるいは応答や伝送の特性を示す関数や機能で表現することが可能です。なお、これらの機能やアルゴリズムは、必ずしも、数式や数学的な表現で表されなくてもかまいません。
(4)ジェプソン形式の請求項について
ジェプソン形式の請求項は、「〜において、・・・ことを特徴とする●●●。」、あるいは「〜するにあたり、・・・することを特徴とする●●●。」との形式で記載されます。このような請求項は、何れも、前段部に直近の公知技術あるいは上位概念が記載されることによって、後段部において発明の特徴が明確に記載されます。
しかし、このような前段部は、最近、複数の要素が「と書き」として盛り込まれたり、「・・・する手段を有する」等の記載が盛り込まれることが意図的に避けられ、そのために、直近の公知技術や上位概念とはほど遠い「適用分野」としか解されない場合が大変多くなりつつあります。
[記載上の注意点]
(1)権利範囲が明確であり、読みやすく、審査段階における見直しや修正が容易である簡単な構文とするために、以下の観点@〜Dで整理および記載を行います。
@ 何れの構成要素に関しても、簡単な構文で表現できる程度に予め整理や分析が行われる必要があります。
A 重複記載や冗長な記載を可能な限り回避し、可能な限り、単文、重文、あるいは同格の併記された複数の句や文で構成します。
B 複雑や係り受けを回避するため、文より句、句より名詞を優先的に用います。
C さらに、きっかけ等の条件を示す副詞句は、なるべく名詞または名詞句に変換して記載することによって、実質的な意味を損なうことなく簡明な記載とします。
(例)「温度が上昇すると」→「温度の増加」
D 特徴の表現に最適な主語を先に決定して記載を進めます。
(2)各請求項には、基本的に「構成」が記載されるべきであって、既述の「機能分解」に基づく機能表現でなければ、発明の特徴である事項に関してやみくもに「〜できる」等の願望を単に示す表現(作用表現)は避け、その「〜」ができるために採用することが可能な構成を記載しましょう。
(3)「〜した後に」等のように時系列の順に行われる処理の手順を示す表現は、その時系列の順が発明の特徴でない場合には、記載が不要です。このような場合には、主要な処理のみを記載します。
(例)「周波数変換した後に復調する」 → 「復調する」
(注)処理の手順が異なっても基本的に同じ結果が得られる線形処理の列については、これらの線形処理の結果によって要するに何が行われているかを機能として記載すべきです。
(4)語の選択について
@書き手しか理解できない造語の使用は御法度です。
A読み手が疑念がもつ原因となる「未定義の語」あるいは「不十分な定義による語」が生じないように、記載の順序に併せて、用いる語を選択します。
(注)未定義で使用してよい語は、以下の通りです。
1)技術分野の欄で定義され、あるいは単一の意味で用いられている語
2)他の構成要素や文言との関連性で疑念や混乱が生じない語
3)用語辞典等に掲載されている一般的な語
B該当する分野において概念面で疑念が生じない専門用語を適切に選択して用います。
C表現されるべき概念の語が、専門用語で直接的に意味し得ない場合には、可能な限り近い意味の語に簡潔な限定句を付記して用います。
(注)「同じ周波数帯で移動局との間に無線伝送路を形成する複数の無線基地局」
→ 下線部は、単なる無線基地局ではなく、発明の特徴が成立する最小限度の限定句です。
D概念的に類似した語については、一度整理し、用語辞典等の写しの切り貼り等を複写することによって、ご自分のライブラリとすることを推奨します。
(注)類似した語とは、例えば、「回線」、「チャネル」、「通信回路」、「通信線路」、「(通信)パス」、「(通信)リンク」
Eワンワード・ワンミーニングが成立するように考慮し、主要部が同じである複数の語が登場する場合には、例えば、「第1の付勢手段」、「第2の付勢手段」、…と端的な形容を施すことによって峻別を図ります。
F見受けられる好ましくない記載の例
(例)「信号」や「データ」でなくてもよい発明であるにもかかわらず用いられる「信号」、「データ」等の文言
「信号」や「データ」は、かならずしも電気信号でなくてもよく、光、超音波等の波動信号、あるいは電磁結合、電子結合、静電結合等によって伝達可能な情報そのものであることが許容される場合が多いはずです。このような場合以外に限って、「信号」等の文言を用いましょう。
(5)図面(クレーム対応図)の参照について
特許請求の範囲で引用される図面(クレーム対応図等)上の符号は、最近、ほとんど記載されない傾向にあります。
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